11.留学・ワーホリ公的手続き

留学のための公的手続き

<注意事項>
このページに記載されている内容は参考情報で、内容を保証するものではありません。必要な方は、必ず役所や税務署などの機関へ直接ご確認ください。

留学前の公的手続きについてご案内します。特に長期で海外に滞在される方に必要な手続きです。

  • 住民票
  • 国民健康保険
  • 年金
  • マイナンバー
  • 確定申告
  • 運転免許書

留学前に働いていた会社、雇用形態、それぞれの状況に応じて手続きが大幅に異なる場合があります。また住民税は区・市町村によってルールも異なります。一度、住民票がある役所に出向いていただくか、電話し、どうするのがよいか、メリット、デメリットも含めてアドバイスをもらいましょう。

下記の必要な手続き一覧をご覧の上、それぞれの機関にご確認ください。

住民票(転出届)

海外転出届を出すことにより住民票を抜くことができ、海外滞在が1年以上を目安に出すのが一般的です。ただ法的な細かな規定がないため、出す方、出さない方、それぞれです。また区・市町村によって独自のルールがあり、最近は1年以上でも留学やワーホリでも帰国予定があると、住民票が抜けないケースも増えております。

住民票を抜くことのメリットとしては、国民健康保険と年金の支払い、住民税の免除があげられます。ただしワーキングホリデーの場合は海外旅行とみなされ、転出届を出していても、海外滞在中の住民税を徴収される市町村があります。(例:滋賀県大津市、埼玉県坂戸市など)

またデメリットとしては、留学中も国民健康保険、年金、住民税などの支払いが必要なことや、印鑑証明や住民票交付等の公共サービスが受けられなくなることです。

*前年度の住民税

<海外滞在が1年未満>
転出届を提出していても、前年度分の住民税の支払いは必要です。(1月1日に住民票が海外にあっても前年度分は徴収されます)正社員で働いていた方などは金額も大きいため、事前に支払額や支払い方法を確認しておきましょう。

<海外滞在が1年以上>
原則的には1月1日に住民票が海外にあると、前年度の住民税の支払いが不要です。また逆に1月1日に日本に住民票がある場合は、その後にすぐ渡航した場合でも前年度の支払いが必要です。そのため年始に渡航をお考えの方は、可能なら年内に出発された方が少しでも支払額は少なくなるでしょう。

ただし留学やワーホリの場合、1年以上の海外滞在であっても一時的なものとみなされ、ご自身の状況や、区・市町村にによっては、徴収されるケースもあります。必ずご確認ください。

国民健康保険・社会保険

住民票を抜かない場合、留学中も国民健康保険料の支払いが必要です。また住民票を抜いた場合、国民健康保険にも加入できませんので支払いは不要です。

国民健康保険に加入していると、海外での医療費も条件によって一部治療費の支給が受けられることもあります。ただしその内容や保険金は非常に限られますので、海外医療保険への加入は必要です。

参考情報
https://allabout.co.jp/gm/gc/39800/
※最新の情報を必ず該当機関にご確認ください。

また留学前に働いていた会社で社会保険(健康保険+厚生年金)に加入していた場合、国民健康保険ではなく社会保険を任意継続することもできます。ただし年収が高い方や扶養家族の有無によっては、国民健康保険の方が安い場合もあります。どちらがお得かどうかは、その方の状況によって異なりますので、国民健康保険は住民票のある役所、社会保険は全国健康保険協会にそれぞれ保険料を確認してみてください。源泉徴収や給与明細などが必要です。

全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat650

年金

住民票を抜かない場合には支払いが必要ですが、住民票を抜いた場合でも任意加入することができます。年金は支払った分だけ将来の受給額に反映されるため、支払ったことが無駄ということはありません。

もし留学中には支払いが難しい、払い忘れてしまったという方も、帰国後に遡って支払いが可能です。ただし遡って支払いができる期間は決まっています。詳しくは、年金事務所で、後払い・追納制度について聞いてみてください。

国民年金保険料の追納制度
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html

マイナンバー

海外転出届を出して住民票を抜くと、マイナンバーも失効します。帰国後に転入届を出す際、マイナンバーの再交付の手続きもできますが、交付までに数週間から1ヶ月ほどかかります。その際には以前と同じナンバーが交付されます。

マイナンバーがないと、銀行口座の開設や海外送金などができなくなりますので、海外滞在中や帰国後にすぐ必要な方はご注意ください。

また現在のマイナンバーが失効した場合でも、そのナンバーで使っている銀行口座や証券会社の口座などは、そのまま使える場合が多いようです。ただし今後はどうなるか分かりませんので、念のため確認することをおすすめします。

*海外でも日本のマイナンバーが必要

海外で銀行口座の開設や仕事をする際、日本のマイナンバーの番号を聞かれることがあります。日本でマイナンバー制度が始まったため、日本と租税条約を結んでいる国では、日本のマイナンバーが求められることが増えてきました。まだ全てのケースではありませんが、海外で銀行口座の開設をする方、ワーホリで働く方は、番号を控えるか、通知カードのコピーや写真などを撮ってお持ちください。(カード自体をお持ちになる必要はありません)

確定申告・還付申告

確定申告は、住民票を日本から抜いて海外に移すかどうかで変わります。

*住民票を海外に移さない場合

確定申告が必要な方は、通常通り忘れずに行ってください。ご自身でできない場合はご家族とご相談ください。

*住民票を海外へ移す場合

出国までに源泉徴収票や控除に必要な書類がそろう場合には、税務署へ行って「準確定申告」をします。そろわない場合は、納税管理人の届出をして、申告を家族などに代わりにやってもらいます。

*還付申告

確定申告がない方の還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができますので、帰国してからでも可能です。源泉徴収票や生命保険の控除証明書などは紛失しないようご注意ください。

確定申告・還付申請について(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm

運転免許証

留学中に期限が切れてしまう場合、更新手続きが必要です。

通常は期限が切れる年の誕生日の前後1ヶ月に更新をすることになっていますが、海外滞在などの事情がある場合、1年前から事前に更新手続きが可能です。最寄りの警察署または免許センターに必要な書類を確認し、更新手続きを行ってください。

免許は期限が切れると失効してしまい、再発行に費用や時間がかかってしまいますのでご注意ください。

銀行口座

日本の銀行口座についてですが、住民票を抜かない場合には問題ありません。住民票を抜く場合には、本来であれば日本に住んでいないため銀行口座を維持することができません。ただし、これは法律で定められているのではなく、各金融機関の裁量に任されているため、銀行によって対応は様々です。

また実際にみなさんも、口座を残したまま特に申告もせず渡航される方がほとんどです。ただ今までは銀行が住民票を抜いているかどうか、把握できない状況でしたが、銀行のマイナンバー管理やシステム化が進んでおりますので、今後どのようになっていくか分かりません。

ご不安な方は、念のため口座をお持ちの銀行に確認してください。1年程度であれば、住民票を抜いても、ご実家の住所などで口座はそのまま維持できる銀行や、少額の手数料でそのまま維持できる銀行も多いです。そのようなサービスを利用する場合、手続きに数週間かかることがありますので、銀行への確認はお早めにされてください。

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